• 月蝕會議 リレーコラム vol.11(楠瀬タクヤ)
  • 23-09-25

月蝕會議 6周年を記念してスタートした月蝕會議 リレーコラム!
謎に包まれた月蝕會議メンバー達の、ベールに隠された音楽観がわかるここだけでしか読むことのできないスペシャルコンテンツです。
第11回は楠瀬タクヤから!

今月のテーマは・・・
「芸術の秋!」

どうも皆様いかがお過ごしでしょうか。
会う人会う人が今年はヤバい暑すぎると言っていた夏が知らぬ間に影を潜めて、なんなら朝晩素肌が出てる部分は関節が軋むじゃねえか、っていう感じの気温で、会う人会う人もさぞ幸せな気分になって来ていることだと願いつつ。
季節が移ろい、今回のテーマでもあります「芸術の秋」がやってきたという事で、自分にとっての秋の芸術ってなんだろな、って考えてみたんですが「芸術」っていうとなんやら展覧会に出して賞を取らないと、みたいなイメージがして、ちょっと高尚に感じてしまって、大阪生まれ新喜劇育ちの僕にはちょっと気が引けるのですが、いつの間にか演劇の世界でどっぷりお仕事していることもあり、今回はいわゆる「舞台芸術」ていうのを皆さんとゆるシェアできればな、と思うのです。
元々自分のキャリアの始まりが、バンドでデビューして、曲も書くようになって、という順番だったのですが、ご縁あって演劇用に音楽を提供するようになってから早や十数年。これまで、何度も感銘に似た衝撃を受けてきました。普段の音楽のライブでも、舞台上のプレイヤーの影では、裏方と呼ばれるいろんなセクションのスタッフたちの多大なお力があるのですが、殊更演劇の世界に関していうと「これぞ集団芸術だ!」と思えるような、一つの問題提起に対して、音響、照明、振付、衣装、ヘアメイク、演出部、舞台装置、etc…一致団結してなんとか解決するぞ!という叡智の結晶がすごいのです。
駆け出しの頃の自分はそれこそ自分の曲に振りをつけてくれて、その曲に合わせたライティングが点くだけでもめちゃくちゃ感動を覚えたものですが、そういったプロフェッショナルたちと一緒にお仕事させてもらうということは、自分もプロでいないと居られないということでして、もうかなり昔の話になりますがプロデューサーから、「ラストの曲、大サビで金箔の雨降らせたいんだけど、予算が無いから音でなんとかして」と言われた時には、果たしてこの文章が日本語として成立しているものかどうなのか何度も反芻したものです。実際問題どうしたかというと、ウィンドチャイムのキラキラを左から右にゆったりとパンさせて大きめに足してみました。すると、、、

なんということでしょう。。。。。。。

 

本番でほんとにそこだけボワっと金箔が舞ったように煌びやかになったのです!!!!!!
実際は照明さんがその音に対して、金色っぽい照明も足してくれていたり、音響さんが少しだけ音量を突いてくれたり、みんなの力でどうにかしようと頑張ったからそう見えただけで、お客様には何も変わらずこの想いは伝わってないのかもしれないけれど。
あの時、「んな事できるわけないでしょうが!」で突っぱねていたらそこで試合終了だったなと思うと、何事も為さねば成らぬって事ですね。諦めたらあかん。気合いと根性でなんでもできる。あれ?芸術どこいった??やっぱ秋は「食欲の秋」ですね!